厚みのある葉とすっきりとしたフォルムがカッコいいサンスベリア(サンセベリア)。空気清浄効果が高く、エコプランツとしても高い人気を誇るインテリアグリーンです。
暑さと乾燥に強く、初心者でも枯らしにくい丈夫なサンスベリアですが、なんとなく元気がない様子にお悩みではありませんか?
今回は、サンスベリアの元気がない時に考えられる原因と対処法を、よく見られる症状別でくわしく解説します。
サンスベリアの元気がない 症状①葉が細くひょろひょろ
サンスベリアの葉が細くひょろひょろになる場合、考えられる主な原因は光線不足による徒長(とちょう)です。
徒長とは日光不足が続くことで起こる症状のこと。日当たりの悪い場所に置き続けていると、葉が日光を求めて縦方向にばかり伸びていきます。
その結果、葉が細長くひょろひょろになり、株自体が弱々しくなります。見た目がだらしなくなるだけでなく、ちょっとした環境の変化にも弱くなります。
また、2年以上植え替えていない場合は根詰まりによる生育不良も考えられます。
サンスベリアの葉がひょろひょろになる主な原因
- 日光不足による徒長
- 根詰まりによる生育不良
根詰まりによって鉢内の水はけが悪くなると、根がスムーズに水分を吸い上げられずに生育に影響を及ぼす
サンスベリアの葉がひょろひょろになった時の対処法
- 日光不足が疑われる場合…置き場所の見直しが必要。室内なら南~東向きの窓際。20度以上であれば屋外の半日陰に置くと生育がよくなる。ただし、すでにひょろひょろになった葉を元に戻すことはできない。
- 根詰まりが疑われる場合…春から秋の暖かい時期に植え替える。鉢をこれ以上大きくしたくない場合は株分けしてもよい。
サンスベリアの元気がない 症状②色が悪い
サンスベリアの色が悪い場合、考えらえる原因はさまざまです。中でも多いのが、「寒さ」「日光不足」「根詰まり」「根腐れ」など。
暑さと寒さに強いサンスベリアですが寒さには弱く、20度以下になると生育が緩慢になります。耐えられるのは10度程度までです。
寒さに当たると徐々に葉の色が薄くなります。
サンスベリアの色が悪くなる主な原因
- 寒さ(10度~15度以下)
- 日光不足
- 根詰まり
- 根腐れ(水のやり過ぎ)
- 害虫被害(葉がべとつく場合、カイガラムシの可能性あり)
サンスベリアの色が悪い時の対処法
- 寒さ、日光不足が疑われる場合…置き場所の見直し。冬は葉にシワによるくらいに断水してもok。乾燥には強い。水を控えて樹液濃度を高めることで寒さに備える。
- 根詰まり…2年に1回程度、根詰まりと土の劣化を解消するため植え替えを実施するのが望ましい。
- 水のやり過ぎ…水やりは土が乾いてからたっぷりと。ただし、気温の下がる冬は、土が乾いてさらに3~4日してから土の約1/3が湿る程度で水やり。
- 害虫被害…ベタつく場合は湿らせたティッシュで丁寧に拭き取る。埃が溜まりやすいので7日1回は観察も兼ねて拭き取るのがよい。風通しのよい場所に置くこと。
サンスベリアの元気がない 症状③ふにゃふにゃしている
サンスベリアがふにゃふにゃになっている場合、過度の乾燥または寒さによるダメージが考えられます。
また、葉に触れてブヨブヨとしている場合、すでに根腐れに発展している可能性が高いです。(下写真)
サンスベリアがふにゃふにゃになる主な原因
- 長期間にわたる水のやり忘れ…過度の乾燥により葉の水分が不足し、ふにゃふにゃになる
- 根腐れ、水のやり過ぎ…葉や根元に触れてぶよぶよとしているなら、すでに根腐れを引き起こし腐敗している恐れがある
- 寒さ…5度以下の寒さに当たることで葉がふにゃふにゃとしおれ、傷む
サンスベリアがふにゃふにゃになった時の対処法
- 水のやり忘れが疑われる場合…水を与えて様子を見る➡ただし、冬は土が乾いてさらに3~4日してから土の約1/3が湿るくらいの水の量でok。20度以上なら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与える
- 根腐れが疑われる場合…すでに腐敗した箇所はカットし取り除く。その後、管理方法の見直しを。根元がすべて腐敗している場合でも、まだ硬い葉があれば「葉挿し」で発根させ育て直すこともできる
- 寒さが疑われる場合…10度以下の寒さに当てない。すでにぶよぶよと傷んだしまった部分はカットし取り除く
サンスベリアの元気がない 症状④しわしわしている
サンスベリアの葉がシワシワになっている場合、過度の乾燥が原因と考えられます。
とはいえ、サンスベリアは非常に乾燥に強い植物です。葉にしわが寄ったからといって焦ることはありません。
サンスベリアの場合、水のやり忘れよりもやり過ぎによるリスクの方が高いです。
サンスベリアの葉がしわしわになる主な原因
- 過度の乾燥
- 根腐れにより葉が水分を補給できなくなっていることも考えられる
サンスベリアがしわしわになった時の対処法
- 土の乾き具合を確認。カラカラに乾いているならたっぷりと水を与えて様子を見る。ただし、冬は土の1/3程度が湿るくらいの水量でok。暖かく風通しのよい場所に置いて様子をみる。
サンスベリアの元気がない 症状⑤倒れる
サンスベリアが倒れる場合、主に3つの原因が考えられます。
1つ目が日光不足による徒長です。サンスベリアは日光が大好きな植物のため、長い間、日光不足が続くと葉が日光を求めて縦方向にばかりひょろひょろと伸びます。
その結果、葉が細長くなって倒れやすくなるのです。(下写真)
2つ目に考えられるのが根腐れ。サンスベリアは厚みのある葉に沢山の水分を蓄えています。水をやり過ぎることで、根元が腐敗し葉が倒れてしまうこともあるのです。(下写真)
3つ目が寒さによるダメージ。5度以下の寒さに当たり続けることで葉が根元から傷み、倒れてしまいます。(下写真)
サンスベリアが倒れる主な原因
- 日光不足による徒長
- 蒸れ、水のやり過ぎ、寒さがきっかけの根腐れ
サンスベリアが倒れた時の対処法
- 日光不足による徒長が疑われる場合…すでに徒長した葉を太く丈夫に育て直すことは難しい。まずは置き場所の見直しを。倒れた葉は紐でくくり、自立できるよう見守る。新しく出てきた子株を太くて丈夫な葉に育て上げる。その後、すでにひょろひょろの葉はカットし葉挿しに使用してもよい。(下写真)
- 蒸れ、水のやり過ぎ、寒さなどによる根腐れが疑われる場合…すでに根元が腐っている場合は傷んだ部分をカットし取り除く。まだ硬い部分があるなら葉挿しにしてみるのもよい。
1.根元がぶよぶよなら取り除いておく
2.葉がまだ硬いならカットして土に挿してみる
3.うまくいけば発根し、子株が出てくる(ただし、少なくとも半年~1年はかかる)
まとめ
ということで、今回はサンスベリアの元気がない時に考えられる原因とその対処法までをくわしくご紹介しました。
サンスベリアは生命力の強い植物です。元気がないからといってすぐに諦めてしまう必要はありません。
今回の記事を参考に、まずは元気が無くなってしまった「原因」を探ってみてください。
寒さが苦手なサンスベリア。冬はどうしても葉にシワがよったり、色つやがイマイチと感じることも多い。でも、冬はそういう時期…。プロが管理する温室でもない限り、冬に元気一杯、ピカピカの姿をキープすることは一般家庭では難しいこと。冬は「元気にする」よりも「現状維持」。寒さ対策に焦点を当てたお手入れを。
また、元気がないから…といって、安易に肥料を与えるのはおすすめしません。
根が弱っている場合、肥料を与えることでさらにダメージを与えてしまう恐れもあるからです。
ちなみに、よく見かける緑色のアンプル剤は肥料ではなく「活力剤」であることが多いです。(下写真)
個人的には弱っている状態で肥料や活力剤を与えるのはあまりおすすめしません。