購入当初はまっすぐだったはずのサンスベリアの葉が、いつの間にかねじれしまった。一体どうすればいいの?
サンスベリアを長く育てている方の中には、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、サンスベリアの葉のねじれに関するお悩みにお答えします。
サンスベリアがくねくねとねじれる原因
それでは、サンスベリアがねじれる主な原因と対処法をみていきましょう。
サンスベリアがくねくねとうねるのは光線不足が主な原因
植物には「光屈性(ひかりくっせい)」とよばれる性質があります。この性質がサンスベリアのねじれと関係していると考えられます。
日光不足が続くと葉が光を求めて様々な方向に向きを変え、結果、葉がねじれると考えられます。
※光屈性:植物が日光に向かって葉の向きを変えたり、花の向きを変えたりする能力のこと。
根が傷ついたり、突然変異で葉がねじれることも
日光不足だけがねじれの原因とも限りません。
まれに、植え替えや株分けの際に根が傷ついたり、突然変異などによっても葉のねじれが生じることもあるようです。
すでにねじれた葉は基本、元に戻せない
日当たりのよい場所に移動させればねじれは改善するの?
残念ながら、すでにねじれたサンスベリアの葉を元のまっすぐな葉に戻すことは難しいです。
とはいえ、ねじれた状態の葉はどうしても鑑賞価値が下がってしまいますね。
特に、株中心部の葉はねじれやすい傾向にある
あくまで筆者がサンスベリアを育ててきた経験上で感じたことにはなりますが、サンスベリアの中心部分の葉はねじれやすい傾向にあると感じます。
下写真のサンスベリアをご覧ください。
サンスベリアの葉が全体的にねじれています。また、ねじれだけじゃなく一枚一枚の葉が軟弱で弱々しい印象です。
このねじれたサンスベリアは「株分け」の際に、元株の中心部に生えていた葉を集めたものです。株分け前のサンスベリアは下写真。
中心部分の葉はどうしても周りの葉に比べて日光が当たりにくくねじれています。
日が当たりにくい部分の葉は日光不足により、葉が色々な方向を向いた結果、ねじれることが多いようです。
くねくねねじれるサンスベリアの直し方
次に、すでにねじれたサンスベリアの対処法をみていきましょう。
ねじれることで見た目も悪くなってしまいます。ただ、すでにねじれたサンスベリアを元通りにするのは難しいです。
ねじれるサンスベリアの対処法は日当たり、風通しの確保から
ねじれた葉を麻紐やリボンなどでくくり、暖かく日当たりのよい場所で管理します。
時間はかかりますが、ねじれて弱々しくなった葉が自立できるようになることもあります。(下画像)
ねじれて弱々しくなっていた葉ですが、約1年で張りを取り戻しました。
十分な風通しと日光を確保することで倒れかけていた葉は自立し、株が充実することで上画像のように花をつけることもあります。
とはいえ、ねじれた葉はそのままです。
ねじれた葉はカットし子株が出るのを待つ
とはいえ、ねじれた葉をそのままにしておくのは嫌だ…という方も多いでしょう。
そんな方におすすめなのは「ねじれた葉を根元付近からカットし、新しい子株が出てくるのを待つ」ということです。
4月~6月頃にねじれた葉を根元当たりから思い切ってカットします。うまくいけば数か月で根元付近から子株が出てきます。
その後はできるだけ日当たりのよい場所(15度以上なら屋外がベスト)に置き、日光不足にならないよう育てます。
同じ環境で育てた場合、ねじれが再発しやすいです。
カットしたサンスベリアのねじれ葉を利用して「葉挿し」にするのもアリ
カットしたサンスベリアのねじれた葉は「葉挿し」で発根させることもできます。
うまくいけば一年ほどで子株が出てきますよ。(下写真)
ただ、葉挿しは子株が出るまでに時間がかかります。
また、斑入り品種の場合は模様が消えてしまうこともあります。これを「先祖返り」と呼びます。
緑色の葉に黄色い縁の入ったサンスベリアローレンティーの場合、葉挿しで増やした子株は緑色の原種サンスベリアが出てくる可能性が高いです。
葉挿しから約2年後のサンスベリア。子株として出てきたのは、黄色い縁取り模様の無い原種のサンスベリアです。
ねじれ防止!サンスベリアのうねりを防ぐコツ
サンスベリアがねじれる主な原因が分ったところで、ここからはサンスベリアがねじれるのを未然に防ぐ方法をご紹介します。
十分な日光を確保
なんといってもサンスベリアは日光が大好きな植物です。
耐陰性があるため室内でも育てられる「観葉植物」として人気のサンスベリアではありますが、本来は明るく風通しの良い場所を好みます。
葉をねじれさせず丈夫に育てたい場合、室内であれば南~東向きの窓際に置くのがベストです。
日当たりが確保できない場合は「植物育成LEDライト」を活用するのもアリ
そうはいってもなかなか日当たりの良い場所が確保できない。基本、カーテンは防犯のため閉め切りがちにしているし…。
そんな方におすすめのアイテムが「植物育成LEDライト」です。
日光に近い光を放つ育成ライトを観葉植物に当てることで、日当たりの悪い部屋でも日照不足を補ってくれます。
植物育成LEDライトはさまざまなタイプがありますが、サンスベリアの場合、背が高くなることを考慮するとクリップタイプがおすすめです。
十分な風通しを確保
植物が育つ上で欠かせないのが「光」「水」そして「風」です。特にサンスベリアは蒸れを嫌う植物。
風通しの良い場所で管理することは葉を丈夫にすることはもちろん、根腐れ・病害虫予防にも効果的です。
最低気温が15度以上なら屋外管理がおすすめ
天気予報をチェックし、最低気温が15度以上であれば屋外に置いて育てるのがおすすめです。
その際、雨の当たらない軒下に置いて管理し、土がしっかり乾いたタイミングで水やりします。
風通しの面で、室内管理は屋外管理には到底かないません。ただし、移動する場合は数日かけて少しずつ日光に慣らしてください。
サンスベリアには風の流れがある場所で育てることで、酸素供給が増加しより健康に生長します。
ときどき向きを変える
ねじれを防いでバランスの良い樹形を保つためにも、サンスベリアは定期的に向きを変えましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、植物は「光屈性(ひかりくっせい)」という性質を持ちます。
長い間、方向を変えずに植物を置き続けていると、光(窓)の方向にばかり枝や茎を伸ばして葉がねじれ、乱れた樹形になりやすいです。
水やりのタイミングで向きを変えることを習慣化
観葉植物の向きを定期的に変えることは、植物の健康と見た目の維持にも役立ちます。
葉のねじれを防いで美しい姿を保つためにも、1週間から1か月に1回程度の頻度で鉢の向きを変えてあげましょう。
水やりのタイミングにおこなうようにすると忘れにくいです。ぜひ習慣化してみてください。
サンスベリアがねじれる時によくある質問【Q&A】
サンスベリアがねじれる時によくある質問をご紹介します。
サンスベリアがねじれる時によくある質問①ねじれた葉を元に戻すことはできる?
残念ながら、すでにねじれたサンスベリアを完全に元通りにすることはできません。
日当たりの良い場所に移すことで多少はねじれが改善したとしても、元の姿に戻すのはほぼ無理です。
綺麗な葉を取り戻すには置き場所や管理方法を見直した上で、新しい葉を出させる必要があります。
サンスベリアがねじれる時によくある質問②ねじれないサンスベリアはないの?
絶対にねじれないサンスベリアはありませんが、葉が硬く厚みのある品種であればねじれにくいものもあります。
- ねじれにくいサンスベリア「ボンセレンシス」
扇型に広がる葉がカッコいい「ボンセレンシス」。ホームセンターで見かけることも増えましたが、まだまだレアなサンスベリアです。
- ねじれにくいサンスベリア「キリンドリカ」
縦のフォルムが美しい人気のサンスベリア。他のサンスベリアに比べて葉が広がりにくいので、置き場所を確保しやすいです。
これら2つの品種は葉が硬く厚みがあるので比較的ねじれにくいです。ただ、日光不足に陥った場合は細長く間延びします。
サンスベリアがねじれる時によくある質問③簡単にできて効果的なねじれ予防策は?
簡単にできて効果的なサンスベリアのねじれ対策は「日に当てること」。これに尽きます。
室内なら南~東向きの窓際に置くのがベストです。ただ、窓際であっても陰になる部屋の隅は×です。(下画像)
おすすめは春~秋にかけて屋外に置くこと。十分な光と風通しに当てることで、株全体が引き締まってきます。
絶対にねじれないサンスベリアが欲しい!そんな人にはフェイクグリーンがおすすめ
絶対にねじれなくて日当たりが悪くても綺麗な姿を保てるサンスベリアがあればなぁ…。
このような方と相性抜群なのが、土も水も使わない「人工観葉(フェイクグリーン)」です。
人工観葉であればねじれることなく、一年を通して美しい姿を長くキープできます。
その上、枯れることも無いので日当たり・風通しがイマイチな場所でも長く、清潔に楽しめます。
人工観葉なら土も水も使わないから虫の心配も不要。
もちろん、葉が不格好にねじれることもないので、忙しい人でも美しい樹形をキープできます。
本物そっくり、リアルな人工観葉が欲しいなら造花専門店がおすすめ
でも結局は造花でしょ?安っぽく見えそうで不安…。
このように思われている方も多いのではないでしょうか?
確かに安さだけが売りの低品質な人工観葉であれば、虫が付く心配はいらないものの安っぽい印象を与えてしまうことは否めません。
そんな方におすすめなのが、造花専門店の高品質なフェイクグリーンです。
職人の手でひとつひとつ丁寧に仕上げられているのが特徴で、本物と見間違えるほどリアル。
衛生面が気になるテーブルまわりや寝室などにも気軽にグリーンを取り入れられます。
幅を取らないサンスベリアは、廊下やデスク脇などのちょっとしたスペースに飾りやすいグリーンです。
フェイクなら窓の無いトイレや冷気の入りやすい玄関にも飾れます。
サンスベリアがねじれる原因は?くねくねの直し方はある?【まとめ】
今回は、サンスベリアがねじれる主な原因と対処法、ねじれの予防策についてご紹介しました。
サンスベリアがねじれる原因は諸説あります。
光線不足の他にも「水分不足」「風通し不足(生育不良)」「突然変異」なども考えられる原因のひとつです。
個人的にサンスベリアをねじれさせずに姿よく育てるためには、「15度以上なら屋外に置く」ことが最大のポイントと感じています。
十分な日光と風通し。これがサンスベリアをねじれさせることなくまっすぐ育てるコツです。
サンスベリアがねじれる主な原因と対処法
- 日光不足
- 風通し不足
- 水不足
- 突然変異、など
→すでにねじれた葉を元に戻すのは困難。適期にねじれた葉を根元からカットし、子株が出るのを待つか、カットした葉で葉挿しにするのもよい。
サンスベリアがねじれるのを防ぐコツは?
- 春から秋にかけて(気温15度以上)は基本、屋外に置いて管理し、十分な日光と風通しを確保する。水やりは土がしっかりと乾いてから。
- 15度以下になったら室内へ移動。冬の間は葉にシワがよってからの水やりでok。多湿により根腐れを起こしやすいため、基本は乾燥気味に管理する。