サンスベリアは耐陰性が高く室内でも育てられる観葉植物として人気ですね。
しかし、本来のサンスベリアは太陽をサンサンと浴びつつ、乾燥地帯でたくましく生きる植物でもあります。
そこで今回は、観葉植物として購入したサンスベリアを、春から秋にかけての暖かい時期のみ直射日光にガンガン当てて育ててみた結果を綴ります。
サンスベリアは直射日光に当てても大丈夫?

屋外管理のメリット
サンスベリアは本来、強い日差しと乾燥した環境に適応している植物です。
春から秋にかけて屋外で育てると、葉が厚くなり株が引き締まって丈夫に育ちます。
日光を浴びることで葉色も濃くなり、見栄えの良い姿に整うのも魅力です。条件が合えば花が咲くこともあります。
屋外管理のデメリット
一方で、真夏の強烈な直射日光に急に当てると葉焼けを起こしやすい点には注意が必要です。
特に白っぽい品種や斑入りの葉はダメージを受けやすいです。
寒さに弱く気温が10℃を下回ると根が傷みやすい最低気温15度以下なら室内へ取り込むのが安心。
サンスベリアを屋外に出すときの注意点

春〜秋の適した管理方法
気温が15℃以上なら屋外管理が可能です。最初は半日陰からスタートし、徐々に直射日光に慣らすと葉焼けを防げます。
春〜秋は生長期なので、屋外に出すと株が引き締まり、葉色も濃くなります。
真夏の強光で葉焼けを防ぐ工夫
夏の直射日光は強すぎて葉焼けの原因になります。特に斑入り品種は要注意。
すだれや遮光ネットで日差しを和らげたり、午前中だけ日が当たる場所に置くのがおすすめです。水やりは涼しい時間帯に行いましょう。
冬は屋外管理できる?(最低温度の目安)
サンスベリアは寒さに弱く、10℃以下になるとダメージを受けます。晩秋から冬にかけては屋外管理は避け、明るい室内に取り込むのが安全です。
夜間の冷え込みは特に注意しましょう。
品種ごとの直射日光への強さ
ゼラニカ・ローレンティー(強光に強い)

厚めの葉をもつゼラニカやローレンティーは直射日光に比較的強く、屋外でも育てやすい品種です。
春〜秋は半日以上日の当たる場所に置くと、株が引き締まり健康的に育ちます。
ムーンシャイン・斑入り品種(葉焼けしやすい)

銀葉のムーンシャインや斑入り種は直射日光に弱く、すぐに葉焼けを起こすことがあります。
屋外に出す場合は遮光ネットや半日陰の環境が安心です。
屋外と室内の置き場所の違い

直射日光と半日陰のバランス
屋外では日差しが強すぎると葉焼け、弱すぎると徒長の原因になります。
午前中だけ日が当たり、午後は日陰になる場所が理想です。
窓際・ベランダ・庭での育て方の違い
窓際はガラス越しの光で葉焼けリスクが低め。ベランダは西日を避ければ管理しやすい環境です。
庭では直射日光を避けつつ風通しを意識すると、病害虫を防げます。
直射日光をガンガン当ててサンスベリアを育ててみた

タイトルどおり、サンスベリアを最高気温が15度以上の時期のみベランダに出しっぱなしで育ててみました。
特に、葉焼けを起こしやすいとされる真夏の直射日光もガンガン当ててます。冬から春、夏、秋にかけての様子をご覧ください。
室内管理の続いているサンスベリア【2月27日】

葉に縦しわが寄っていますが、生きてます。株の中心あたりの葉が日光を求めてひょろひょろと細長くのびていますね。
なるべく窓際の日当たりのよい場所に置いているのですが、どうしてもこのような葉が出てきてしまいます。
すこしずつ屋外の日光に慣らせ始める【5月27日】

暖かい日も増えてきました。 4月頃から日中の暖かい時間は外に置いて夜になったら移動を繰り返し、日光に慣らせ始めます。
いよいよ暖かい時期に突入し生長が著しくなるとき。ただ、鉢が葉でいっぱいになっているので株分けすることにしました。
- 薄茶色の鉢のサンスベリア⇒株分けして2つの鉢に分ける
- 濃い茶色の鉢のサンスベリア⇒そのまま育てる

こんな感じで株分けしました。 早めに分けて置いた方が冬までにしっかりと根を張れると思ったので、この時期に株分けしています。

いよいよ暖かい時期に突入し生長が著しくなるとき。ただ、鉢が葉でいっぱいになっているので株分けすることにしました。
こうして2鉢だったサンスベリアは、「薄茶色の鉢」「白い鉢」「濃い茶色の鉢」の3つになりました。
これで株分け完了です。
こうして2鉢だったサンスベリアは、「薄茶色の鉢」「白い鉢」「濃い茶色の鉢」の3つになりました。
そして、同じ時期に濃い茶色の鉢のサンスベリアに早くも変化が現れました。

花芽と子株が出現しています。無事、生長期を迎えたようです。
ここからはベランダに出しっぱなしにして直射日光をガンガン当てていきます。
直射日光にあたりまくりのサンスベリアたち【6月15日】

少しずつしっかりとしてきたため6月中旬からは直射日光下へ。濃い茶色鉢のサンスベリアに付いた花芽はどんどん伸びています。
株分けしたサンスベリアは一週間ほど半日陰で休ませました。その後、徐々に日向へ移動。
少しずつしっかりとしてきたため6月中旬からは直射日光下へ。濃い茶色鉢のサンスベリアに付いた花芽はどんどん伸びています。

冬に徒長した葉はそのまま変化なし。2月頃の様子と比較してもすでに葉が茂ってボリュームが増しているね
このまま寒くなるまでは、容赦なく直射日光がガンガン当たる場所に放置です。
水やりは土がカラカラに乾いたらたっぷりと与え、月に1~2回は薄めたハイポネックス(液肥)を与えます。

ただ、水やり後は水温上昇による根腐れを防ぐため日陰に移動させます。
真夏の場合は日が暮れて涼しくなってからの水やりがベストでしょう。
サンスベリアの花が開花【6月25日】

ついに、サンスベリアの花が開花しました!
サンスベリアの花は日が暮れてから開き始めるので、室内に移動し撮影。
甘いつんとした香りを放っています。バナナ味のお菓子の匂いに似てます。

この花は7月後半くらいにかけて次々に開花し楽しませてくれた。色味は少ないけどかなり存在感のある花だったよ。
濃い茶色鉢のサンスベリアも株分け【8月29日】

ちょっと時期を逃してしましたが、濃い茶色の鉢が想像以上に子株でいっぱいになってきたので、滑り込みで株分けを実施することにしました。
鉢から抜き取るとこんな感じに根がまわっていました。

ぎっしりですね。これを2つに分けて植え付けます。
ただ、今後は気温も下がり生長は緩慢になるためあまりいい生育は見込めないかもしれません。

こんな感じで株分け完了です。右側の白い鉢は土が途中で足りなくなってしまったため、後日、土を上から足しました。

これで、サンスベリアの鉢は4つになりました。ちょっと増えすぎてしまったのでうまく根付いたら誰かに譲ってもらおうか検討中。
サンスベリアを直射日光に当てない方がいいケースは?

ここまでサンスベリアを直射日光に当てて育てた様子をご紹介しましたが、直射日光に当てない方がいいケースもあります。
明らかに株が弱っている場合は直射日光を避けた方が無難
サンスベリアが明らかに弱っている場合、直射日光に晒すことで致命傷となってしまう恐れがあります。
弱っている状態で直射日光に晒すことは、病気の人に過酷な肉体労働を無理やりさせるようなものです。
弱っている時はまず休ませること。弱ってしまった原因を探ることが大事です。
長い間室内に置きっぱなしだったサンスベリアにいきなり直射日光を当てるのは×
日光を好むサンスベリアは夏以外は屋外の直射日光に当てて育てることも可能です。
ただし、長期間室内に置きっぱなしだったサンスベリアを急に屋外の日向へ移動するのは避けます。
葉焼けの可能性があるからです。植物はなんといっても急激な環境の変化が苦手。
明るい場所へ移動するなら数か月かけて少しずつ明るさに慣れさせる必要があります。
真夏の直射日光は避けた方が無難。白い葉を持つ品種は葉焼けしやすい

ただし、夏場の直射日光は避けてください。
夏場は高温によって葉焼けのリスクが高まる時期です。 夏だけは半日陰~日陰へ移動するのが安心でしょう。
ただ、筆者の場合は夏の直射日光にもガンガン当てました。重要なのは「いきなり強い光に晒さない」ということです。

斑入り品種や葉の色が白っぽい品種は葉焼けを起こしやすいから要注意!
夏の水やり後、鉢内が湿った状態で直射日光に晒すのは危険
また、夏場の水やり後は鉢内が湿った状態で直射日光に晒すのは危険です。
土が湿った状態で高温に晒されることで鉢内が煮え、根を傷めてしまう恐れがあります。
熱くなった床面に直接鉢を置くのも避けましょう。
サンスベリアは直射日光を当てずに育て続けることはできる?

園芸書やネットには、サンスベリアは耐陰性が強いため室内で育てられると記されています。
とはいえ、本来は日光を好むサンスベリア。長い間日当たりの悪い場所に置き続けていると徒長を起こしてしまいます。
ただ、「直射日光を当てないと育てられない」というわけでもないのがサンスベリアの強いところです。
室内なら南~東向きの窓際に置くことで綺麗な姿を保てる
室内なら南~東向きの窓際に置いて育てましょう。
サンスベリアは明るい場所に置くことで株がぎゅっと引き締まり、カッコいいフォルムに育ってくれます。
窓際でも陰になる場所は×。風通しも重要!
窓際であっても陰になる場所はNGです。
このような場所は日当たりはもちろん風通しもイマイチなので、徒長だけでなく根腐れやカビのリスクも高いです。
冬の夜は窓から1~2メートルほど離そう

明るい場所を好むサンスベリアですが、寒い時期は注意が必要です。
冬は夜になったら窓から1~2m程離しましょう。冷え込みによるダメージを防ぐことができます。
暑さ、乾燥に強いサンスベリアですが、蒸れと寒さにはめっぽう弱いです。
まとめ
サンスベリアは、もともと乾燥地帯の植物なので直射日光に強い品種もあれば、葉焼けしやすい斑入り品種もあります。
屋外で育てると株が引き締まり、葉色も濃くなるメリットがありますが、真夏の強光や冬の寒さには注意が必要です。
ポイントを押さえると、屋外でも元気に育てられます。
- 春〜秋は気温15℃以上で少しずつ日光に慣らす
- 真夏は遮光や半日陰で葉焼けを防ぐ
- 冬は室内の明るい場所で管理
今回の実験でも、直射日光に慣らして育てることで、葉の厚みや株の充実度が増し、花芽が出ることも確認できました。
自分の環境に合わせて置き場所と管理方法を調整すれば、サンスベリアは屋外でも美しく健康に育ちます。
葉焼けさせないコツは春から徐々に日光に慣らしていくこと
気を付けたいのは室内からいきなり初夏の直射日光に当てること。
植物は急激な環境の変化には弱いため、サンスベリアの黄色いラインの部分が茶色くシミになることもあります。

筆者の場合は、4月頃から少しずつ屋外に慣らしつつ屋外に移動させていくことで、葉焼けのリスクを抑えつつ旺盛に育てることができたよ。